太陽黒点

九州住みのガジェット、アニメ、料理、ダーツが好きなアラサーのブログ

いつまで田舎で消耗できずにいるの?

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンを見ました。

 夏アニメは全スルーしてしまったので、秋アニメが始まる前に一つ。

 

 みんながヴァイオレット・エヴァ―ガーデンの映画を見て絶賛してたので気になってテレビアニメ全13話、OVA1話をNetflixで見てきました。そして映画もなんと佐賀県でも上映してたので見てきた感じです。いつぶりかの京都アニメーション作品ですね。リズと青い鳥以来かな?

 

 ストーリーの解説とかはできない(能力的に)ので感想だけ書いていきます。映画の感想というより全体の感想ね。エモいことは期待しないでね!

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主人公について

  まずタイトルにもなってる主人公の”ヴァイオレット”なんだけど

って要素で完全にニーアオートマタの2Bが頭に浮かびましたね。段々感情が出てくるところとかもうそんな感じですわ。

 あと、物覚えのいい面とポンコツな部分がくっきり分かれてて、それはそれでめっちゃ可愛い。そりゃ中佐も我が子のように面倒見たくなるわけだ。目が離せないタイプだよね。

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他のキャラについて

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 なんかね、みんな優しいのよ登場人物。安心してみてられる。ヴァイオレットが14歳くらいってのもあるかもしれないけど、序盤の仕事でやらかしたり出来ないことがあっても丁寧に対応してくれる。そして些細な変化に気が付いて心配してくれるし、なんか現代の理想のホワイト企業っぷりが出てる。しっかしホッジンズ中佐(社長)は過保護が過ぎる。子供持ったら心配で禿げそう。

 

 もう服装がどうとか、胸が出ててえっちぃとかこの際どうでもいいっすね。人間味が良いの。まぁ見た目で個性がはっきりするもの大事だけどね。しいて言えば、胸元ざっくり開けてホッジンズにあれこれしてたカトレアさんより、ノースリーブでかつ薄着でショートヘア―褐色肌活発系のアイリスのほうが好きです(性癖)。話題に出さない人はそういうことだ、察してくれ。

 

 そうやって周囲の人から”愛をもらってた”ヴァイオレットが、最後には”愛を与える側”になるっていうのがいいですね。そういう解釈でいいんですよね??映画ラストのギルベルトの手紙のシーンあたりですよ。

 

ストーリーについて

 愛がテーマだってことは流石の僕でもわかった。現代に生きてる自分らにとって、手紙で話が動き出すっていうのは面白い演出に感じた。

 

 よく、”葬式は死者のためではなく、残された人たちのために行う”と言われている。死者に囚われて止まってしまった時間を動かすために、葬式を行うのだと。それに似た役割を、この作品では手紙が担っているのかもしれない。

 

 自分の素直な気持ちって面と向かって話すのはなかなか勇気がいるし、実際出来る人は人間関係を賭けてやってると思う。

 今だったらLINEでちょろっと短文を流すとかで終わるんだろうけど、手紙、それも劇中のように自分の言葉でしゃべってそれを代筆してもらうような環境だと伝えたいことに向き合う時間が長くなる。それに頭で文を思い浮かべるのと、それを声に出して他人に聴いてもらうのでは大分違う。ゆえに心がたっぷりこもった手紙になるんだろうね。 

 

 代筆業、劇中では自動手記人形(ドール)っていわれてたけど、文章表現力に長けてる人に任せると、書いてもらった人も驚くような手紙になるんだろうな。

 

 逆にいうと、それだけの感情をドールの人たちは受け止めるわけだ。人の感情への理解が乏しかったヴァイオレットにはなかなか酷な仕事だっただろうけど、”愛してる”を理解するにはぴったりかもしれない。

 

 序盤はしゃべる人の言葉を額面通りに受け取って手紙を書いてしまってたけど、言葉の裏にある本当の想いを理解する必要があってわりと苦労したんだろうな。他のドールがどうしてるかは描写があまりなかったけど、ヴァイオレットは相手との対話をしっかり行ってから代筆に取り組んでた。表面の言葉ではなく、心の底にある本当の想いを知るために色々と。

 

 中盤以降、経験を積んだヴァイオレットは国家間の取引に重要な手紙や重要な式典で使われる文章まで書くようになった。でも気の利いた言葉や解釈、エピソードでさえ他者から聞いたもののかき集めと言ってしまうくらい、ヴァイオレットにとって人の心、しいては愛というのが理解するのに難しいものだった。まるで、AIが人の心を真に理解するのが難しいかのようだ。まるでディープラーニングだな、あれも理解というより引き出しをたくさん持ってる人の直感みたいな感じだし。

 

 終盤、ヴァイオレットが「”愛してる”も少しは理解できるようになりました」と言っていたけど、具体的にどのへんで出来るようになったんだろう。もう一回映画見て確認する必要があるな。ブーゲンビリア家の墓参りに行ったときにギルベルトの兄に”命令”と称して言われた言葉を「私にはもう命令は必要ありません」と返したあたりかな。鉄道での遠征の時は命令を請うてた人にそれを返したわけだし。

 

 ギルベルトの兄のセリフは、棘はあるけど物語上は重要なことが割とある気がする。”人を殺した腕で愛を語るのか”みたいなセリフ、軍人の頃とは違って今愛を語ってるのは無機質な機械仕掛けの腕なんですよ。アレ結局どう処理したんだっけ。どうにもあのアンドロイドのような腕にしたことが重要な気がするんだけど処理が分からん。

 

 でも、あのヴァイオレットが冗談を言えるレベルに達するとは思わなかったなぁ。ギルベルトに会いに行った日の夜、灯台で寝泊まりすることになったシーンでホッジンズが明日会いに行ったときは扉を蹴破って、アイツを思いっきり殴ってやる!って言ったときに、「いえ、殴るなら私が......冗談です」

 冗談を言った.......??その時僕のなかに沸いた感情、さながらクールなキャラがデレたときのようであった。めっちゃ可愛いよね。

 

映画のこと

 劇場版では、ヴァイオレットがおそらく亡くなったあとの時代から描写されてた。あの伝説の10話に登場した少女が、老婆になって亡くなるくらいだからざっくり50年かな?車や電話も普及して、人に会うコストが昔に比べて大分軽くなった時代。

 

 仮にその時代を現代と言うけど、現代の主人公は先にあげた少女の孫。祖母が生涯母からもらい続けた手紙を見つけてから、その手紙を代筆したドールのころを調べに行くという話。そしてヴァイオレットがギルベルトと再会して、おそらく永住したと思われる島にたどり着いて、そこで喧嘩した親へ手紙を出す。

 

 ここの解釈はもう少し考えないと言葉に出来ないなぁ。現代人に向けた何かしらのメッセージがありそうなんだよね、わざわざアニメの主軸と関係ない時間の話を持ってきてるんだし。

 

まとめ

 ぶっちゃけ、映画館で泣いたのは初めて。産まれてから死ぬまでどこを切り取っても人の愛が感じられる描写の多い作品でした。映画から入っても十分に魅力がわかるんじゃないかな。話の作りが丁寧でわかりづらいところはなかった。

 

 脚本:吉田玲子、世界観設定:鈴木貴昭

の組み合わせ、個人的にはガールズ&パンツァーの組み合わせが良かった。戦争を扱ったものだから時代背景がシッカリしてないとね。吉田さんは特に女性の心理描写が丁寧で得意なイメージがあるからピッタリ。調べたら鈴木さんは西洋哲学を専攻してたそうで、学術的な裏付けのある物語設定をしてくれる。土台がしっかりしてるからこそ丁寧な描写が光るというものです。

 

 あと久々に京都アニメーション作品を見たので画の綺麗さを改めて実感しました。これは見ても損はない作品だなぁ、わざわざNetflixを契約した甲斐があったというものです。

 

 さて、これからパンフレット読みます。

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